元ヤクルトスワローズのデニングが僕の頭をなでるワケ
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記<13>
愛媛マンダリンパイレーツにある、野球に対する雰囲気。それを支える選手たち
デニングにみる「野球に対する姿勢」
きっとデニングからしたらNPBに戻りたいという意欲があるのだと思う。というより、どんな選手たちもNPBを目標にプレーしている。今シーズン中にNPBに復帰するには7月31日がデッドラインで、それまでにどんどんアピールしたい、と思うのは自然なことだ。
ともすると、自分の成績さえよければいい、という気持ちになりがちだけれど、デニング選手にはそういった部分がない。野球に対して真剣で、チームの勝利に対して一生懸命なのだ。
これは、愛媛マンダリンパイレーツというチーム全体にいえる姿勢で、僕はそれを感じるたびに、
「本当にこのチームに入れてよかった」
と実感する。
野球はチームスポーツ。
個人の事情はいろいろあっても、いざ試合となれば勝利を目指して戦い、全力を尽くす。その上で重要なのはコミュニケーション。日々、チームメイトや球団の人と会話をすること。簡単そうで難しいことが体現できているチームなのだ。
試合前。
四国アイランドリーグでは球場によって、全選手の名前がアナウンスされグラウンドに一列に並んでいくことがある。
愛媛マンダリンパイレーツは、呼ばれた選手と並んでいる選手がグータッチをして気持ちを合わせる。そのとき、デニング選手だけは僕の帽子をとって頭にグータッチをする。
「これをすると縁起がよくて、打てるんだ」
そんなことを言ってくれる。
アナウンスがないときでも、僕のところまで来て頭を触りに来る。僕にとっても素晴らしい瞬間だ。
まだまだ愛媛にも独立リーグにもいい選手がいっぱいいる。いつかこの連載でも、NPBを経験していない、魅力的な選手たちも紹介してみたいと思う。
今回は、この辺で!